まきどき村まち歩き/トビラプロジェクト
この記事を書いた人:三尾花澄
11月10日に能登さんの案内で街歩きをしました!
まず訪れたのは、昔醤油を作っていた多賀さんの醤油蔵です。道沿いに建っている古いお家で見た目では全く分かりません。しかし中に入ってみると、醤油をつくる際に使われていた樽や機械が当時のまま残っていました。
さらに古くなっていましたが二階まであり、そこにも樽がいくつかありました。蔵の作りも立派で、釘を使わない作りでつくられていました。
この醤油蔵の創業1850年頃。当時はこの周辺に何軒か醤油蔵があったそうです。しかし今では当時を知る人はおらず、あまり詳しい事は分からないそうです。そして多賀さんも東京に住んでいるため、ここへは年に数回訪れて管理をしていくそうです。とても貴重な醤油蔵であるので残していきたいと思うのと同時に、維持する事の大変さを感じました。
次に訪れたのは、醤油蔵から歩いてすぐの[本間屋]さんです。軽くお話を聞くつもりが中へ通してくれ、立派なお部屋で〜さんのお話をききました。創業は1829年。先ほどの醤油屋さん同様、当時は何軒か柚餅子屋さんがあったそうです。さすが老舗の風格!
種類は蒸し柚餅子とねり柚餅子かあります。作業は朝5時から始まり、1日200本から300本ほど作るそう。この柚餅子には手作業で卸金で擦った柚子が実際に入っており、1年間で使われる柚子は200kg にも及びます。これだけの量を手作業で行なっているとは…そんな苦労を噛みしめながら、出して下さった柚餅子を食べてみました。柚子の味がしっかりしてなんとも言えない食感が最高でした。実際に柚子が入っている柚餅子を食べたのは初めてで、柚餅子が有名な郡山出身のメンバーもびっくりする美味しさでした!
最後に伺ったのは桑原さんのお家です。桑原さんは18年間朝市で漬物や野菜を販売していた方です。朝市は平成10年に、じょんのび館から始まりました。この当時は多くの人が出店していて、地元の人、じょんのび館を利用している県外の方がたくさん訪れてたそうです。しかし次第に出店者が減り、最終的に4人だけになってしまい、場所も桑原さんの倉庫で行うようになりました。そしてついに3年前に朝市はなくなってしまいました。しかし今でも県内外問わず当時利用されていた方が注文をされるそうで、そんな方達のために漬物やかぐらなんばん味噌などを作り続けています。
伺った時も、お漬物やお餅を乾燥させたお菓子かたもちなど、次から次へと出してくださいました。甘い味付けのお漬物と、お味噌はもう絶品で、みんなでパクパク食べてしまいました。最終的にはご飯か欲しくなって、桑原さんのお昼のご飯を分けていただく有様でした…。最後に、また朝市やってみたいですか?と聞くと、「歳があれだから周りからまだやってるよと言われるから大きくやれないでいるけど、やれるならやりたいよ」とおっしゃっていました。やっていた当時はたくさんの人がきて賑やかであった集落。おばあちゃんのように接してくれる桑原さんの人柄、このお漬物のおいしさ。もう1度沢山の人に味わってほしいなと思いました。
今回の街歩きで、福井集落には古くからの歴史があり今でもそれが受け継がれているものがある事、沢山の隠れた魅力がある事がわかりました。また、まきどき村の活動だけでなく集落を知ることの楽しさにも気づくことができました。能登さん、ありがとうございました!
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